アフィリエイトを自社で始めるには「アフィリエイトシステム」が欠かせませんが、システムの導入自体は難しくありません。各社が提供しているアフィリエイトシステムを契約し、簡単な設定で済むことがほとんどです。
システムは複数存在しますが、できるだけ正確なコンバージョンのトラッキング(成果計測)が重要です。その他にも自社でアフィリエイトを運用するためには、成果の承認機能・レポート機能・支払い機能なども必須です。
この記事では、
- アフィリエイトシステムとは何か
- 仕組みの図解や導入方法
- 自社で構築するメリット・デメリット
- 選定ポイント
について詳しく解説します。ASPの計測システムとメリットも比較しながら、自社アフィリエイトシステムの理解を深めて、売上拡大や運用効率の改善に活かしてください。
目次
アフィリエイトシステムの仕組みとは
アフィリエイトシステムとは、成果報酬型広告の仕組みを技術的に支えるプラットフォームのことです。
基本的には広告主とアフィリエイターが、アフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)を介して提携する成果報酬型広告の仕組みを指すことが多いです。
アフィリエイトの計測は、Cookieとトラッキングタグを用いて、一般消費者がアフィリエイトの専用リンクをクリックしてから商品購入などの成果(コンバージョン・CV)に至るまでの経路を追跡することで実現します。
以下に具体的に解説します。
アフィリエイトシステムとは
アフィリエイトシステムとは「広告主(企業)」「アフィリエイター(紹介者)」「ユーザー(消費者)」をつなぐ仕組みです。成果報酬型広告の仕組みを技術的に支えるプラットフォームのことです。
企業が商品やサービスを販売する際に、アフィリエイター(ブロガー・インフルエンサー・メディア運営者など)が紹介し、ユーザーが購入や申し込みをすると報酬が発生します。
この「紹介・成果・報酬支払い」を一元的に管理するのがアフィリエイトシステムです。
アフィリエイトシステムは、アフィリエイト広告の成果を計測・管理し、広告主とアフィリエイター双方に正確なデータを提供するための基盤です。
発生するクリック数やコンバージョン数などのデータを、不正なく記録・共有する役割を果たす、アフィリエイトプラットフォームです。
アフィリエイトは、広告主・アフィリエイター双方が共通で利用し、報酬や成果発生の状況を確認できるこのシステムによって成り立っています。
アフィリエイトシステムの仕組み
アフィリエイトの仕組みの核は、トラッキング → 成果判定 → 承認 → 支払いの4ステップです。
【アフィリエイトシステムのステップ】
- リンク生成
システムがアフィリエイターごとに計測パラメータ付きURLやタグを発行 - クリック計測
ユーザーがリンクをクリック → クリックIDやセッション情報を記録(ファーストパーティCookieやサーバーサイドで保持) - コンバージョン計測
購入や申込時にコンバージョンタグやサーバーサイドイベントで通知 → クリック情報と突合して「誰経由のCVか」を確定 - アトリビューション
ラストクリックなどの成果判定ルールで「アフィリエイト経由」の可否を決定(重複成果は重複排除ルールで解消可能) - 承認フロー
返品・キャンセル・不正の検知ルールを適用して承認/否認を確定 - レポート&支払い
媒体別・成果別にレポート集計。月次で報酬支払いまで実行
アフィリエイトシステムの仕組みは「識別 → 記録 → 突合 → 承認 → 支払い」という流れです。
公平な成果配分のためには、正確性と耐障害性を最優先に運用することが重要です。
正確なトラッキングが重要
アフィリエイトシステムでは正確なトラッキング(成果計測)が重要です。
なぜなら、どの媒体のどの広告経由で発生した成果かを正しく特定しないと、誰に報酬を支払うべきか判断できないからです。
Cookieベースやサーバーベースのトラッキング技術を用いて、クリック数・コンバージョン数を把握し、公平に報酬を支払います。
具体的には以下のような流れになります。
- アフィリエイターがシステムから発行された専用リンクをサイトやSNSに掲載
- ユーザーがアフィリエイターのブログ・SNSから商品をクリック
- Cookieや専用IDで「◯◯経由」と記録
- ユーザーが購入・申し込みをすれば成果として計測
- 報酬が発生し、アフィリエイターの管理画面に反映
自社サイトへのコンバージョンは検索エンジンやSNS、他の広告など様々な経路から発生します。その中でアフィリエイト経由の成果を見逃さず計測し、「成果発生→承認→報酬支払い」という流れを公平に管理する必要があります。
アフィリエイトでは広告主とアフィリエイターが直接やり取りしないケース(ASP経由)が多いので、お互いにデータを偽装できない仕組みであることも重要です。
例えば、本当は200件成果があったのに広告主が100件と申告して報酬支払いを少なくするといった不正を防ぐためには、第三者的なシステム上で成果数値が記録・共有されることが不可欠です。
正確な計測なくしてアフィリエイト運用は成り立ちません。システム選びの際は信頼できる計測精度が最優先事項となります。

完全なトラッキングは非現実的です。ITP(Intelligent Tracking Prevention)をはじめユーザーの端末環境に様々な制約があるからです。それを理解したうえで、システムを選定しましょう。
トラッキング技術の進化
近年はAppleのITPやプライバシー規制の強化により、Cookie計測が難しくなってきています。
そのため最新のアフィリエイトシステムでは、サーバーサイドトラッキングやファーストパーティデータの活用などが進んでいます。
以下に、アフィリエイト計測でよく使われる方法と、それぞれの長所・短所をまとめます。
最も採用されている技術はトラッキングタグ(Cookie)型とソケット通信(サーバー)型です。近年はファーストパーティクCookieを利用するシステムも増えてきました。
計測方式 | 内容概要 | 長所(メリット) | 短所(デメリット) | 導入数 |
---|---|---|---|---|
Cookie型(トラッキングタグ) | ユーザーがアフィリエイトリンクをクリックした際、ブラウザにクッキーを保存。「購入」等の成果ページでそのクッキーを読んで成果を紐付ける。 | 実装が比較的簡単。多くのASP・ツールで標準的にサポート。 | ブラウザのプライバシー設定・第三者クッキーの制限に弱い。クロスデバイス追跡が困難。クッキーが削除されると失われる。 | 多い |
ファーストパーティCookie + JavaScript タグ型 | クッキーを自社ドメインで発行する方式。ページ内部の JavaScript タグで成果発生を計測。 | 第三者Cookie規制の回避に有効。ブラウザやOSの制限を受けにくく、比較的精度が良い。 | 実装に若干技術的な知見が必要。ブラウザの仕様変更やユーザーのプライバシー設定により間接的に影響を受けることがある。 | 多い |
ピクセル型 | 成果ページに 1×1 の透明な画像タグ(またはJavaScript/iframeベースのピクセル)を設置し、ユーザーがそのページを訪問したことを報告。クッキー等と組み合わせて使用することが多い。 | 成果の認識が比較的容易。ほとんどのサイトで実装可能。導入コストが低め。 | クッキー削除・広告ブロッカー等によりピクセルが読み込まれない/無効となる可能性あり。クロスデバイスや非ブラウザ環境では精度が落ちる。ページロードへの影響や遅延の要因となることも。 | 少ない |
サーバー型(ソケット通信) | 成果発生イベントをサーバー間で通知する方式。ブラウザでのクッキーやピクセルに依存しない。クリック時に固有 ID を与え、それが成果時に返される形で成果を正確に判定する。 | クッキー・ブラウザ制限・広告ブロッカーの影響を受けにくい。モバイルアプリ環境やクロスデバイスでも比較的信頼できる。 | 実装が難しい。API連携・サーバー設定・セキュリティ・データ保護など注意点が多い。遅延や同期ミスが生じると正確性が落ちる可能性あり。 | 多い |
Cookie型+サーバー型 | Cookie情報と購入者データを組み合わせ、リピーターや端末を変えた再購入も成果として正確に計測できる方式。 | 従来のCookie方式では漏れていたリピーターや端末変更の購入も成果として記録でき、精度が大幅に高まる。 | 専用システムを活用するため導入コストが必要。 | 少ない(successfee株式会社が提供) |
Cookie型の計測は導入が簡単で多くのASPがこの方法で運用しています。ですが、計測漏れのリスクやcookie規制の強化により計測制度が低下しているケースが増えています。ファーストパーティクッキー方式に対応しているツールも多いです。
高い計測精度のためには以下の要素が必要です。
- 外部制約を回避できること
- クロスデバイス・クロスブラウザでの追跡
- リアルタイム性と同期性の維持
- データの一貫性と改ざん耐性
- コンプライアンス・プライバシー保護
これらの要素を満たすためには、サーバー型(ソケット通信)が有効です。
Cookieやブラウザの設定に左右されないため、計測漏れを大幅に削減できます。ですが、技術的な専門知識や実装コストがかかることや運用が複雑であることはハードルとなります。
こういった側面から、アフィリエイトの計測はファーストパーティCookieの活用+サーバーサイド計測を併用するハイブリッド方式が現実的だとされています。
さらに、Cookie型+サーバー型の中間的な仕組み技術も生まれています。
Cookie計測だけではなくサーバーにある顧客情報とも照合できるため、リピーター計測精度の高い方法により成果の取りこぼしや不正計測を防ぐことができるので、広告主・アフィリエイター双方に安心感を与えることができます。

アフィリエイトシステムを導入する場合はサーバー型やファーストパーティCookieなどの技術も採用しているものが良いです。 大手ASPを利用する場合、複数ある計測方法から自身で選択が可能です。
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アフィリエイトシステムの導入・構築方法
アフィリエイト広告を始めるには、大きく以下の2通りの方法があります。
- ASP型のアフィリエイトシステムを利用する方法
- 自社でアフィリエイトシステムを構築する方法
それぞれに必要な手順やコスト、得られる機能が異なります。
【ASP型/自社型 比較表】
項目 | ASP型アフィリエイト | 自社アフィリエイトシステム |
---|---|---|
初期費用 | 〇無料~5万円 | △ 数万円程度 |
月額/成果報酬手数料 | △ 高い(20〜30%) ※一部では別途月額費用 | 〇低い(月額費用のプランによる) |
導入スピード | ◎ 即日〜数週間 | ◎ 即日〜数週間 |
アフィリエイター数 | ◎ 多い | △ 自社での募集が必要 |
カスタマイズ性 | △ ASPの仕様に依存 | △ システムの仕様に依存 |
長期的コスト効率 | △ 手数料が積み上がる | 〇 固定費化できて効率的 |
向いている企業 | アフィリエイターを募りたい | アフィリエイターと提携済み |
アフィリエイターが確保できるなら自社で運用するのが効率的です。ASPの最たる利用価値はアフィリエイターの採用を支援してくれることだからです。
自社でアフィリエイターが採用ができるなら、自社で運用したほうがアフィリエイターとの意思疎通も早いです。
ASP型アフィリエイトシステム
アフィリエイト導入の一つ目は、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)のプラットフォームを利用する方法です。
国内の有名なASPとして、
- A8.net
- afb(アフィリエイトB
- ValueCommerce
- アクセストレード
- レントラックス
- もしもアフィリエイト
など多数存在します。
ASPのメリット・デメリットは以下を参考にして下さい。
- メリット
・すでに多数のアフィリエイターが登録している
・管理画面や報酬支払いの仕組みが整っている
・広告主は初期費用・月額費用を支払って参加するだけで開始できる - デメリット
・成果報酬の手数料が高い
・利用してもコンバージョンが発生するか不明
ASPに広告主として登録すると、ASP側が用意したアフィリエイト管理ツール上でプログラムを開設できます。
具体的な導入は以下の流れになります。
- ASPに広告主登録
- 広告主用アカウントを開設
- 広告素材(バナー、テキスト)を登録
- 承認後、アフィリエイターが利用開始
- 成果の計測・承認作業
ASPはすでに多くのアフィリエイター会員を抱えているので、自社で一からアフィリエイターを探さなくても、短期間で提携候補を集めやすいのがメリットです。
ASPのシステムが包括的に管理し運用を丸ごと任せられるので、アフィリエイト運用初心者や人的リソースが足りない企業に適した方法です。
ただしASP利用には手数料や利用料が発生します。多くのASPでは初期費用(3~5万円程度)と月額固定費(3~5万円)が設定されています。
さらに成果発生時にはアフィリエイターへの報酬とは別に ASP手数料がかかり、相場は成果報酬額の20~30%前後が一般的です。
自社アフィリエイトシステム
自社アフィリエイトシステムとは、企業が自前で構築し運用するアフィリエイト管理システムのことです。
ASPを利用しないで、アフィリエイトシステムと契約、アフィリエイターとの提携募集から成果計測・報酬支払いまで一元管理します。
システムはパッケージ化されたアフィリエイトシステムツールも多数提供されています。
例えば 以下のようなサービスです。
- successfee
- アフィリコード・システム
- admage
- アフィリエイトアド(AFAD)
- AdCent
自社アフィリエイトシステムなら、自社サービス専用に多少のカスタマイズができ、長期的にはコスト削減につながります。
自社でシステムを導入する場合、これらのツールを利用しつつ自社サイトにタグを埋め込んだり、サーバーやAPI連携したりするのが一般的です。
低コストなクラウド型から高度なカスタマイズが可能なものまで様々な製品があります。
自社アフィリエイトシステムの導入・構築方法は以下を参考にして下さい。
- 目的と要件の整理・機能のリストアップ
- ツールを導入
- トラッキング環境を整備(Cookie+サーバーサイド)
- アフィリエイターを自社で募集・管理
- 定期的に不正チェックと成果分析
自社システム構築のポイントは、自社に合った機能を備えたシステムを選ぶことです。
自社でアフィリエイトシステムを運営する場合、ASPに頼らず自力でアフィリエイターを集めることが重要になります。
具体的には、既存のパートナー企業や自社商品のファンに直接アプローチするなど、独自の取り組みが成功の鍵を握ります。

自社アフィリエイトシステムで計測の精度や運用効率の改善をさせたいなら、 「successfee」をおすすめします。
自社でアフィリエイトシステムを導入するメリット
アフィリエイトASPに依存せずに、自社でアフィリエイトシステムを持つことには多くのメリットがあります。
- ASPの手数料を削減できる
- ASPの計測タグを一元管理できる
- アフィリエイターと直接コミュニケーションがとれる
ここでは、広告主側の視点で主なメリットを紹介します。
ASPの手数料を削減できる
自社アフィリエイトシステムを導入する最大のメリットは、ASP手数料など中間コストの削減です。
多くのASPでは成果報酬額の約30%が手数料として徴収されるからです。
たとえば、毎月100万円をアフィリエイターに支払っているなら、そのうち30万円はASPの手数料です。
自社システムに切り替えることで、この手数料が丸ごと不要になり、年間数十万〜数百万円規模のコスト削減につながる可能性があります。さらに、自社システムは導入後は運用費のみなので、より大きなコスト圧縮が期待できます。
削減した予算は、そのままアフィリエイト報酬アップやキャンペーン施策に充てることも可能です。報酬条件を良くすれば優良アフィリエイターを確保しやすくなり、結果的に売上増加につながります。
ASPに支払っていた分を自社とアフィリエイター双方の利益に再分配できる点は、自社運用の大きな強みです。
ASPの計測タグを一元管理できる
複数のASPを利用している場合でも、自社システム導入によって計測タグを一元管理(ワンタグ化)できることもメリットです。
通常、ASPを増やすほどサイト上にはASPごとのコンバージョンタグやトラッキングコードを複数設置する必要があります。
これには管理の煩雑化・重複計上のリスクがあります。自社システムを導入しワンタグ化すれば、こういった問題を解決することができます。
自社システムアフィリエイトシステムをハブにすれば、Webサイトに設置するのは自社システムの発行するタグだけになり、各ASPや広告チャネルに正確な成果情報をまとめて通知することが可能です。
タグ設置の工数削減や重複成果の防止、レポートの統合など効率的な運用を実現できます。
また、最新のトラッキング技術への対応も容易になります。
例えばITP対策の新手法が必要になった場合でも、自社システム側でタグをアップデートすれば複数ASP分をまとめて更新できます。これにより、常に計測環境を最適化できるのです。
複数のASPを併用している企業や、今後ASPを増やす可能性がある企業にとって、ワンタグ対応の自社システムは、運用の効率化に大きく貢献するでしょう。
アフィリエイターと直接コミュニケーションがとれる
自社プラットフォームで運用することで、アフィリエイターとの直接的なやり取りが可能になります。
ASPを利用する場合はASP担当者を経由していたアフィリエイターの情報を自社で把握し、メールや専用ダッシュボードを通じてコミュニケーションできるようになります。
これにより以下のようなメリットが生まれます。
- 掲載内容の品質管理
アフィリエイターのサイトに誤った情報や不適切な表現があった場合、直接交渉して早期に修正依頼ができる。自社のブランドイメージを守りやすくなる。 - インセンティブ提案
有望なアフィリエイターに対して個別に報酬アップやボーナスキャンペーンを提案し、さらなる成果拡大を促すことができる。柔軟な提携条件の交渉が可能。 - ナレッジ共有
直接フィードバックを得ることで、自社商品の市場での評価や競合情報などが収集できる。アフィリエイト運用の知見が蓄積される。 - 迅速な情報共有
キャンペーン・新商品情報・報酬体系の変更などリアルタイムでアフィリエイターに伝えられる
このように直接コミュニケーションをとることは、アフィリエイターとの関係を強化し、より効果的なアフィリエイト活動を展開するうえで非常に重要です。
アフィリエイターも感情を持った人ですから、信頼関係を構築できればさらなる支援が期待できるからです。
自社アフィリエイトシステムを導入するとコストを削減し、運用を柔軟に行えるようになります。ASPへの手数料が不要になるので、その分アフィリエイト施策に再投資も可能です。
タグ管理の効率化・アフィリエイターとの直接的なコミュニケーションによってよりきめ細やかな広告運営と強固な信頼関係の構築がかなうでしょう。
アフィリエイトシステムを導入するデメリット
一方で、アフィリエイトシステムを自社運用するにあたって注意すべきデメリットや課題も存在します。
- システム費用と運用の労力がかかる
- アフィリエイトメディアとのコミュニケーションが増える
- アフィリエイトメディアを自社で探す場合もあり
導入前に以下の点を理解しておきましょう。
システム費用と運用の労力がかかる
自社でアフィリエイトシステムを導入・維持するには、コストと手間が発生します。
まず初期費用として、システム導入費用が必要です。
既製ツールを使う場合でも、初期設定やカスタマイズに数万円~数十万円程度、月額利用料も数万円程度です。プラン次第ではさらに高額なケースも。
最も大きな負担は運用業務をすべて自社で行う必要があるということです。専任の担当者やチームを用意し、以下の運用管理にあたらなければなりません。
- アフィリエイターの提携申請の審査
- 成果の不正チェック
- アフィリエイターからの問い合わせ対応
- 毎月の報酬確定と支払い処理
自社システムの導入は、ASP利用時に外部に任せていたこれらの業務を内製化することになります。そのため、システムにかかる費用だけでなく、運用するための人的リソースやノウハウを確保することが不可欠です。
そのため、コスト削減できるASP手数料と、自社で負担する費用・手間を事前に比較検討することが重要です。

ASP利用時にはアウトソースできていた業務を自社で行う負担を軽減したいなら、自社ECでの販売業務委託契約における契約・運用・支払い業務を自動化するシステム「successfee」をおすすめします。
アフィリエイトメディアとのコミュニケーションが増える
アフィリエイターと直接コミュニケーションが取れるということは、裏を返せばコミュニケーション量が増えるというデメリットにもなります。
ASP経由なら基本的にASP担当者が仲介してくれたり、プログラム情報を一括配信すればよかったものが、自社運用だと個別対応が増加します。
多数のアフィリエイトサイトと提携すると、対応にかかる時間と労力は膨大になります。
本業のマーケティング戦略の立案に時間を割けなくなる可能性もあるので、以下の対策が重要になります。
- 業務フローの整備
- パートナーの選別
負担を減らすためには、問い合わせのテンプレートの作成やFAQの充実など、効率的に対応できる仕組み作りが重要です。
場合によっては提携するアフィリエイトサイトの選別を検討してもよいでしょう。
自社ブランドやターゲットに合うコアなパートナーに注力する運用にすればコミュニケーション負荷を抑え、より質の高い運用が可能になるでしょう。
アフィリエイトメディアを自社で探す場合もあり
ASPを使わずに自社でアフィリエイトシステムを運営する場合、アフィリエイターの発掘と獲得が大きな課題となります。
知名度が高いブランドや人気商品であれば、告知するだけで参加希望が集まることもあります。
ですが、無名のサービスや新興ブランドの場合は、
- 自社サイトやSNSでアフィリエイトパートナー募集ページを設置
- 関連するブロガーやインフルエンサーに個別に声を掛ける
など、地道なアプローチが必要です。
すでに他のASPを利用しているアフィリエイターを自社システムに引き込むのは、さらに難しい課題です。
多くのサイト運営者は慣れているASPを使い続ける傾向があり、よほどのメリットがない限り新しいシステムには登録したがりません。
これは、新しいシステムに登録する手間や契約書・管理画面の使い方を覚える面倒さがあるからです。
このハードルを乗り越えるには、以下の工夫が必要です。
- 魅力的な条件提示
- 丁寧な働きかけ
報酬単価を相場より高く設定したり、期間限定のボーナスキャンペーンを実施するなど、アフィリエイターにとって魅力的なメリットを提示するのが最も効果的です。
アフィリエイターとの関係をゼロから築き、維持していくための手間と工夫が必要になります。
成果が必ずしも保証されない
自社でアフィリエイトシステムを導入しても、すぐに成果が出せるわけではありません。
システムはあくまでツールであり、最終的に売上を伸ばすには優良なアフィリエイターに参加してもらい、ユーザーに響くプロモーションを展開してもらうことが最重要です。
たとえシステムや体制に投資しても、パートナーが集まらなかったり、思うような集客効果が得られなければ費用が無駄になってしまう可能性があります。
特にアフィリエイト経由の売上がまだ小さい段階では、自社システムを持つメリットがコストに見合わない場合もあります。
ASPへの手数料削減額も小さいため、自社システムの運用コストの方が高くつく可能性があるからです。
自社運用は短期間で結果を求めるのではなく、中長期的な視点での投資と考えるべきです。導入初期は赤字になる覚悟で、軌道に乗せていく計画性が求められるでしょう。

すでに特定のアフィリエイターと提携が決まっている場合は、便利で有効なシステムです。
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アフィリエイトシステムを選ぶポイント
自社でアフィリエイトシステムを導入する際に注目したいポイントを押さえておきましょう。
- 計測の精度が信頼できる
- システムのアップデート頻度
- 一元管理(ワンタグ)システムが利用できる
どのツールやサービスを採用するかが重要です。選定を誤ると「計測が正確にできない」「使い勝手が悪い」「サポートが不十分」など運用に支障をきたす恐れがあります。
計測の精度が信頼できる
アフィリエイトシステムを選ぶ際、最優先で確認すべきは成果計測の精度と信頼性です。
成果計測が不正確だと、アフィリエイトプログラムそのものが成り立たなくなるからです。
具体的には以下をチェックしましょう。
【成果計測の精度・信頼性の確認項目】
- クッキー計測の方式
ファーストパーティCookieやサーバーサイド計測に対応しているもの - 最新のブラウザ規制への対応
SafariのITPやFirefoxのETPなど最新のトラッキング制限に追随したアップデート履歴がある - 冗長性と稼働実績
サーバー冗長化・バックアップ体制が明示されている・大手企業の導入実績
第三者Cookieのみに依存したシステムは、ブラウザ規制により計測漏れが生じるリスクがあります。新しい方式に対応しているシステムの方が精度が高いと言えます。
また、提供元の公式発表やアップデート情報を調べ、常に計測ロジックを改善している企業だと安心です。
システム障害で成果計測データが失われてしまうということは絶対にあってはならないことです。複数のサーバーを使い、一つダウンしてもすぐに別のサーバーが引き継ぐ仕組み(冗長化)があるか、バックアップを定期的に行っているかの確認は必須。
口コミや事例を参考にして、きちんと成果を捉えてくれるという信頼が置けるシステムを選択しましょう。
システムのアップデート頻度
システム提供元の開発アップデート体制も重要です。ウェブ業界は常に変化しているからです。
例えば、前述したトラッキング環境の変化以外にも、
- 新たな不正手法への対策機能
- UIの使い勝手向上
- レポート機能の拡充
など、定期的にバージョンアップや機能追加が行われている製品は、変化に対応できる可能性が高いです。変化にスピーディーに対応できることもアフィリエイトシステムに求められます。
一方、リリース後ほとんどアップデートされていないシステムだと、将来的に時代遅れになる懸念があります。
過去の更新履歴や提供企業の技術ブログを確認し、最新の業界トレンドに追随する開発力があるか確認することが重要です。
ユーザーの要望や問い合わせに対して耳を傾け、開発にフィードバックする体制があれば安心して利用することができるでしょう。
一元管理(ワンタグ)システムが利用できる
ワンタグ機能があるかどうかも重要なチェックポイントです。
理由としては、具体的に以下があげられます。
- 管理の一元化
- 重複コンバージョンの防止
- 将来的な拡張性
複数ASPの成果データの統合・タグ設置を一本化できる仕組みが提供されていると非常に便利です。
他社ASPの管理画面に逐一ログインしてレポートを突き合わせる必要がなく、自社システムの画面で全成果をまとめて把握することができるからです。
また、同一ユーザーの成果が二重計上された際に、自動で一方をキャンセルする仕組みがあれば、無駄な成果報酬の支払いを防ぎコストを最適化することができます。
現在一つのASPしか使っていなくても、将来的に複数のチャネルを追加する際もワンタグ機能があればスムーズに追加できるでしょう。
ビジネスの成長に合わせて柔軟にアフィリエイト戦略を拡張するために、ワンタグ機能は重要な機能です。
必要な機能が備わっている
自社に必要な機能が備わっているかも選定基準になります。自社の戦略に合わないシステムは無駄になるだけでなく、運用効率が下がる可能性があるからです。
たとえば、
- 「海外アフィリエイター対応で多言語表示が必要」
- 「BtoB紹介用に成果の定義を柔軟に変えたい」
- 「リピーターの計測・分析をしたい」
など、自社の広告戦略にマッチした機能要件を洗い出し、製品比較すると失敗が減ります。
費用面やサポート体制も含めて総合的に比較検討することで、導入後のミスマッチを防ぐことができます。
アフィリエイトシステム導入の流れ
自社でアフィリエイトシステムを導入する場合の実際の進め方を把握しておきましょう。
ここでは一般的な導入までの流れをステップごとにまとめます。
- 目的・KPIの明確化
アフィリエイト導入の目的を整理し、KPIを設定します。
「新規顧客を増やしたい」「商品やサービスの知名度を上げたい」など目的を決めます。目標が決まったら具体的に月間◯件の成果獲得、ROI◯%以上など目標を明確にしましょう。
目標が定まるとシステムに求める機能や運用方針も見えてきます。 - ASP利用か自社運用か方針決定
自社のリソース状況に応じて、ASP型にするか自社システム構築にするかを決めます。自社運用の場合は次ステップへ、ASP利用の場合は契約手続き等へ進みます。 - システム選定と契約
自社システムを構築する場合、ニーズに合ったアフィリエイトシステムを選定します。
複数製品の機能や費用を比較し、必要に応じてデモやトライアルを実施しましょう。最適なものが決まったら契約を結びます。 - 初期設定とタグ実装
システムの管理画面で広告案件の情報や報酬条件を登録します。
同時に、自社サイトに計測用のタグを埋め込みましょう。ワンタグの設定もここで行います。
設定後、テスト環境でクリックから成果が発生するまでの流れを再現し、トラッキングの動作確認を十分行ってください。
計測漏れがないか事前にチェックするのが重要です。 - アフィリエイター募集開始
プログラムの準備が整ったら、アフィリエイターへの告知・募集を開始します。
自社サイト上で「アフィリエイトパートナー募集」の専用ページを作成したり、SNSやメールで告知したりします。
既存ASPで活動中の有力アフィリエイターに直接アプローチし、自社プログラムへの参加を打診するのも効果的です。 - 運用開始とモニタリング
アフィリエイターから提携申請が来たら審査を行い、問題なければ承認して提携成立です。
広告用リンクやバナー素材を提供し、アフィリエイターに掲載してもらいましょう。運用開始後は日々の成果データをモニタリングし、不正な疑いがあるトランザクションがないかチェックします。必要に応じて報酬アップキャンペーンなど追加のプロモーション施策を実施して、成果最大化を図りましょう。 - 成果承認と報酬支払い
毎月決まったサイクルで成果を確定させ、成果レポートをアフィリエイターにも共有します。
キャンセルや返品分を除外するなど成果承認の基準をルール化し公正に適用しましょう。
確定後に各アフィリエイターへ報酬を支払います。銀行振込や電子マネーなど支払い方法の設定もシステム上で管理できます。
自社運用ではこれら一連のプロセスを自分たちで対応する必要があります。
運用を軌道に乗せてしまえば、毎月の作業はスムーズに回るようになるでしょう。
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アフィリエイトシステムのQ&A
アフィリエイトシステム導入に関してよくある疑問をQ&A形式で取り上げます。
無料で利用できるシステムはあるか?
無料でアフィリエイトを始める方法はいくつかあります。
- 無料ASPを利用する
- 自社で無料システムを利用する
無料ASPを利用すれば手軽にアフィリエイトを始めることができます。例えば「もしもアフィリエイト」は初期費用・月額費用が無料で利用できます。ですが、成果発生時の手数料が発生します。
自社アフィリエイトシステムには無料は存在しません。successfeeのようにランニングコストが安いツールの導入が現実的です。
アドアフィリエイトにも向いているか?
自社でアフィリエイトシステムを導入する際、アドアフィリエイトに活用することが可能です。
アフィリエイトシステム自体はユーザーの流入経路を問わずリンク経由で発生した成果を計測する仕組みだからです。
アドアフィリエイトはアフィリエイターが多額の広告費を投じるため、計測の不備は敬遠されます。ファーストパーティーやサーバー型を活用したシステムが望ましいです。
まとめ
アフィリエイトシステムは成果報酬型マーケティングの成果を正確に計測・管理するためのプラットフォームです。広告主とアフィリエイターの信頼関係を築くための最重要の基盤となります。
システムの選定は計測精度が高く継続的にアップデートしている信頼性のあるサービスを選ぶことが大切です。
アフィリエイトシステムの導入はすぐに成果が出るものではありません。
しかし適切なシステムを選び地道に運用することで、安定的な集客チャネルへと育てることが可能です。
Successfeeは成功報酬型の業務提携を簡単かつ安価に実現するクラウドシステムです。
契約から管理、支払いまでの煩雑な業務を効率化し、パートナーと健全な信頼関係の構築をサポート。
自社アフィリエイトシステムの導入や運用に関するご相談がある場合は、お気軽にSuccessfeeへお問い合わせください。