インターネット広告の世界では、アフィリエイトASPごとに計測タグを設置するのが一般的です。
しかし、広告主が複数のASPを併用するとタグの設置や更新が煩雑になり、成果の集計も時間がかかります。こうした悩みを解消するのがワンタグシステムです。
ワンタグとは、これら複数のタグを1つにまとめて管理できる仕組みのことです。サイト内の行動データを1本のタグ経由で収集・共有し、各ASPの成果を自動で振り分けるシステムです。
この記事ではワンタグの仕組みやメリット・デメリット、導入費用や注意点を詳しく解説します。
最後にはおすすめツールも比較するので、自社の状況に合ったサービス選びの参考にしてください。
ワンタグシステムとは

ワンタグシステムとは、複数のアフィリエイトASPが発行する計測タグを一本化し、1つのタグでクリックやコンバージョンを管理できる仕組みを指します。
タグとは、Webサイト上のユーザー行動を記録・通知するためのプログラムコードのこと。 広告クリックや購入完了などをASPや広告媒体に知らせる“通信線”のような役割を持ちます。
一般的なアフィリエイトでは、成果報酬を計測するために各ASPごとにサイト全体のタグや注文完了ページのタグを設置します。
ですが、複数のASPで運用すると設置・更新作業や重複コンバージョンの調整が煩雑になりがちです。

例えば、A8.net・afb・バリューコマースの3社に出稿している場合、従来は3種類のタグを設置しなければなりませんでした。
そこにワンタグを導入すれば、サイトに1つのタグを埋め込むだけで、全ASPの成果を同時に計測できるようになります。
ワンタグを導入すると1つのタグの中で各ASPの計測コードを管理できるため、初回だけタグを設置すれば運用中に他ASPを追加・削除してもページを触る必要がありません。
ワンタグはタグ管理の効率化と計測速度の向上を同時に実現できるツールです。
ワンタグとGTMとの違い
ワンタグはタグの発火タイミングや計測データの連携を自動で制御する計測システムであり、Googleタグマネージャー(GTM)などのタグマネジメントツールとは役割が異なります。
タグマネージャーは複数タグの出し分けや管理を行うための管理ツールで、計測そのものは行いません。
一方ワンタグは、複数ASPからのクリック・注文データを集計し、重複成果の除外や承認判定まで自動化します。
ワンタグで得たデータをタグマネジメントツールに連携することでタグのオン/オフやワークフロー制御を柔軟に行うことができます。
ワンタグは「One Tag=ひとつのタグ」という意味で、アフィリエイト計測の共通インフラとして広く利用されています。複数媒体を扱う広告主に特におすすめです。
ワンタグの仕組み
ワンタグはJavaScriptやサーバーサイドのソケット通信などを用いて設置します。
広告主のWebサイトにワンタグコードを1回設置すると、ユーザーがサイトを閲覧して商品購入や資料請求を行った際にワンタグが発火し、複数ASPのコンバージョンタグを制御します。
【ワンタグの基本構造】
- ページに1本のタグを設置
サイトに「ワンタグコード」を埋め込む - 行動を検知
ページ閲覧・購入などを感知 - サーバーで処理
データをワンタグサーバーに送信 - ASPへ成果通知
ASPごとに成果を分配
この仕組みにより、どのASP経由で成果が発生したかを正確に識別できます。
ワンタグの仕組みには次の特徴があります。
- 一度の設置で複数ASPを制御
Webサイトにワンタグを挿入すると、その後は管理画面からASPの追加や削除・タグのオン/オフを行えるため、サイトのソースコードを都度編集する必要がない。 - 重複成果の自動除外
複数のASPに同じ成果が計測されないよう「ラストクリックルール(最後にクリックされた広告経由で成果を計上)」を採用。重複コンバージョンを自動的に1件にまとめ各ASPのレポート差異を調整する工数が削減される。 - ITP(Intelligent Tracking Prevention)対策
SafariなどでCookieが制限される環境では各ASPが独自にITP対策を実施する必要があるが、ワンタグではITP対応が一括で行える。広告主側の設定負担が減り、成果計測の精度が保たれる。 - 管理画面でレポート統合
ワンタグによって複数ASPのクリック数や成果を一元管理でき、レポートをリアルタイムに確認することが可能。複数ASPのレポート集計が1画面で完結する。
タグを一度埋め込めば、後は管理画面からASPの追加や削除が自由自在。サイトのソースコードを触る必要がありません。
複数のASPで成果が重複しても、自動的に一件にまとめレポートの差異を調整する手間を省きます。ITPの一括対応やレポートの一元化など、広告主の負担を軽減するのに役立ちます。
Googleタグマネージャー(GTM)とワンタグを組み合わせると、「設置作業の効率化」+「発火制御の自動化」が可能になります。両者を連携させることで、非エンジニアでも正確な計測管理が可能になります。
成果報酬型業務提携ツール
について相談してみる
アフィリエイトでのワンタグのメリット
ワンタグを導入すると、広告主・媒体双方に多くの利点があります。
- タグ設置が一回で済む
- 複数のASPレポートを一元化できる
- 成果の重複がなくなる
- 成果の承認率が上がる
ワンタグを導入することで、管理コストの削減・計測の精度向上・成果の一元化が実現します。
ワンタグは、タグ管理だけでなく成果データの品質改善にも寄与します。
ワンタグは、タグ管理だけでなく成果データの品質改善にも寄与します。
タグ設置が1回で済む
ワンタグ最大のメリットは一度サイトに設置するだけで、以降はASPごとにタグを設置する必要がなくなることです。
従来はASPごとに全ページに計測タグを貼り付け、注文完了ページにもタグを配置する必要がありました。
特に複数ASPを利用する場合、数十~数百行のタグが重複し、ページ表示速度の低下やメンテナンス負担が問題になります。
ワンタグはこれらのタグを集約し、1つのタグに変換することで設置作業を大幅に削減します。
ASPごとにサイト全体やサンキューページへタグを設置するのは高負荷な作業です。複数メディアで商品を扱うECサイトでは、キャンペーン追加や停止の度にタグを差し替える手間がなくなり、運用効率が格段に向上するでしょう。
こうした作業削減はエンジニアリングリソースの節約につながり、施策改善に時間を割けるようになります。
複数のASPレポートを一元化できる

ワンタグによって各ASPから取得したクリック数・コンバージョン数などを一つの管理画面で確認できるため、レポート集計の手間が省けることもメリットです。
複数ASPを利用している場合、通常はASPごとに管理画面へログインし、成果を集計して月次レポートを作成する必要があるからです。ワンタグならクリックから承認までのデータをリアルタイムで統合し、1画面で比較できるので、データ分析の時間を短縮することができます。
例えば、ASP3社を同時に利用している場合も、ワンタグ管理画面で3社分のクリック数と成果件数を横並びで確認できます。担当者はCSVを手作業で統合する必要がなくなり、分析に集中できるでしょう。
クリック数・CV数・承認率などを横断的に比較できるので、どのASPが最も効果的かを即判断できるようになります。
レポート統合は施策ごとの効果比較にも役立ち、改善ポイントが見つけやすくなります。
成果の重複がなくなる
ワンタグによって成果が重複計上されないことも大きなメリット。複数ASPを同時掲載した場合、同一成果が重複してカウントされるリスクがあるからです。

ワンタグによって正確な成果計測が実現します。
複数ASPで同じユーザーが複数の広告を経由した場合、各ASPでコンバージョンが計測されると同じ成果が二重・三重に計上されます。
ワンタグはコンバージョンに至るまでのユーザーの全ての広告接触履歴を計測できるため、重複計上を自動的に除外。成果の重複を除外することで正確なコンバージョン数を計測することができます。

成果に直接結びついた広告だけでなく、認知拡大に貢献した広告も評価できるので、コンバージョンにいたるまでのプロセス全体での広告の貢献度を評価できるようになります。
各広告の真の価値を可視化することで、よりデータに基づいた正確な広告予算の配分が可能になるでしょう。
ワンタグによる成果の重複防止は、手作業の削除が不要になるだけでなく広告費の最適化にも役立ちます。
複数ASPに出稿していると成果が重複することが発生するため、1件の成果に対して多くの成果報酬が発生することがよくあります。
成果の承認率が上がる
ワンタグを導入すると成果の承認率(承認数 ÷ 発生数)が向上することもメリットとしてあげられます。重複成果や過剰な計上を除外できるため、却下が減り承認率が高まるからです。
承認率が向上するとメディアにとって魅力的な案件になります。承認率が高い案件は成果報酬を安定的に受け取れるため、媒体側のモチベーションが向上し、さらなる集客効果が期待できます。
成果発生100件・承認50件の場合の承認率は50%ですが、ワンタグで重複30件が自動で除外されると発生数が70件に減り、承認率は約71%に上がります。承認率の向上はプログラムの人気を高め、より多くの媒体が参加してくれる好循環を生みだすでしょう。
高い承認率はASPやアフィリエイターにとって魅力的な条件になるため、取り扱いが優遇される可能性があります
アフィリエイトでのワンタグのデメリット
ワンタグにはメリットが多い一方、導入には注意すべきデメリットもあります。
- 費用がかかる
- 専門知識が必要になる
費用や知識のハードルはありますが、運用体制を整えればタグ管理負担の軽減や計測の安定化などリターンは大きいでしょう。
費用がかかる
ワンタグの導入・運用には初期費用と月額費用が発生することはデメリットといえるでしょう。
ワンタグの初期費用は5万円前後、月額費用は5万円程度が相場です。複数ASPの計測をまとめるためサーバー維持やシステム開発が必要であり、機能が多いほど費用が高くなります。
また、広告代理店が提供するワンタグ付き運用サービスの場合、利用料金にワンタグ代が含まれていることもあります。
初期費用や月額料金が高いと、スタートアップや小規模案件では費用対効果を出しづらい可能性があります。
ワンタグ導入前に費用対効果を試算することが重要です。
専門知識が必要になる
デメリットとして、ワンタグの設定や各ASPとの連携には計測に関する専門知識が求められることもあげられます。
ワンタグをASPの管理画面と接続するにはソケット通信やパラメータ設定など技術的な作業が必要だからです。
タグ発火や計測構造の理解が必要なため、エンジニアやマーケティング担当者のサポートが不可欠。代理店に依頼するケースも多いです。
ですが、ワンタグ導入の際には、ツールベンダーが支援してくれるので、最低限の技術理解があれば精度の高い計測を維持することも可能です。
とはいえ、技術や人材が不足している企業は、サポートやコンサルティング付きのワンタグサービスを選ぶことでリスクを軽減できるでしょう。
成果報酬型業務提携ツール
について相談してみる
ワンタグ導入の費用

ワンタグの費用は導入形態や機能数によって大きく異なります。主要ツールの価格帯をまとめると以下の通りです。
| ツール名 | 初期費用 | 月額費用 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| アフィリコード・システム | 0円(ライト)~60,000円 | 60,000円(ライト)~150,000円 | Leaf Works提供。10年以上の実績と1,500社以上の導入実績があり、ITP対応や多様な支払い・承認機能など豊富な計測機能を備える。 |
| アフィリエイトアド(AFAD) | 0円 | 65,000円 | CATS提供。標準的なワンタグ計測に加え、ASP運営機能も備えたシステム。費用と機能のバランスが優れている。 |
| admage | 0円(スタンダード)またはカスタマイズ見積 | 172,500円~/月 | ディマージシェア提供。標準プランでもワンタグ計測に対応し、DMP連携や外部システムとの連携が可能。カスタマイズプランは要見積で、専任スタッフによる導入サポートが付く。 |
| AdCent | 100,000円 | 100,000円 | a-works提供。複数ASPのデータ分析に強みがあり、独自レポート機能を備える。ただしクリエイティブ登録機能など一部に制限がある。 |
| Successfee | 55,000円 | 2,200円+売り上げの3% | EC事業者向けの成功報酬型アフィリエイト管理ツール。専用のレポートや決済機能を備える。 |
実際に必要となる費用は、計測対象のASP数やトラフィック量、追加機能の有無によって変動します。
事前に複数サービスから見積を取り、コストと機能のバランスを検討しましょう。
ワンタグ導入の注意点
ワンタグを導入する際の注意点を確認しておきましょう。
- 技術的なリスク
- 運用・組織面のリスク
- 契約・コスト面のリスク
- サポートの充実
- セキュリティとプライバシーへの配慮
- GTMの導入
それぞれ解説していきます。
技術的なリスク
ワンタグ導入で知っておきたい技術的なリスクは以下です。
- タグが遅れて動く(遅延):ページの読み込みが遅くなり、計測が失敗することも
⇒Google Tag Manager(GTM)で非同期読み込みにする - ブラウザのCookie制限:SafariなどでCookieがブロックされ、成果が正しく取れない
⇒ポストバック(サーバー間通信)方式を導入する - タグの競合:他の広告タグと干渉して正常に動かない
⇒テスト環境で事前検証し、GTMで優先順位を設定 - JavaScriptエラー:ページのJavaScriptと干渉し、タグが動かなくなる
⇒デベロッパーツールでエラーを確認して修正
既存のアフィリエイトタグやリターゲティングタグと競合し、二重発火や計測不備が起こる可能性があります。導入前にタグの整理と発火条件の確認が必須です。
SafariなどのITP対応ブラウザでは、Cookie保持期間が短いため、ワンタグ側が計測方式を最新化しているかを確認する必要があります。
Googleタグマネージャー(GTM)やMeta CAPIとの併用時には、同一コンバージョンが重複送信されるリスクもあります。
タグの埋め込みやサーバーの設定には専門知識が必要なケースが多いです。計測周りに関する知識がないと対応できない可能性があります。導入時の支援や運用サポートが整っているか確認しましょう。
運用・組織面のリスク
運用や組織面でワンタグ導入の際に気を付けたいポイント・対処法はこちら。
- タグ管理が属人化:特定の担当者しか設定を理解しておらず、引き継ぎできない
⇒社内ドキュメント化+GTMの権限共有を設定 - 複数ASPとの整合性が崩れる:どの成果がどのASP経由か分からなくなる
⇒管理シートでASPごとの成果を記録・検証 - テスト不足による誤計測:テスト環境での確認を怠り、成果漏れが発生
⇒テスト用URL・テスト用注文で事前確認する
特定の担当者しか設定を理解していないと、引き継ぎできず誰もわからないといった状況になりかねません。社内での情報や権限の共有は必須です。
複数ASPを利用している場合は、どのASPに成果を付けるか明文化することが重要。これを怠るとは報酬トラブルに発展する恐れもあります。
実装後に成果が飛ばなかったり二重カウントしたりを防ぐためには、テスト注文データを必ず流し正確に反映されているか確認することが重要です。
契約・コスト面のリスク
契約やコスト面での注意点も確認しておきましょう。
- 成果の二重カウント:同じ注文が2つのASPに成果として送られる
⇒計測ルール(ラストクリック or 優先順位)を決める - ベンダー依存リスク:ワンタグ提供会社が停止したら計測不能に
⇒自社サーバーでバックアップ用ログを取る - 初期費用・月額費:ASPによってはタグ設定代行に費用が発生
⇒導入前に契約条件・課金体系を比較する
成果計測においては、二重カウントのリスクがあります。これは、事前に明確な計測ルールを定めておくことで回避できます。
また、ワンタグサービスなどに依存しすぎると、提供会社のシステム停止により計測不能に陥るため、自社サーバーでバックアップのログを取得しておくなどの対策が求められます。
コスト面では、ASPによってはタグ設定代行などで初期費用や月額費用が発生することがあります。これを避けるためには、導入前に契約条件や課金体系を詳細に比較検討することが重要です。
ワンタグツールによって、PV課金・成果件数課金・月額固定など料金体系が異なるので、長期的な運用コストをシミュレーションしましょう。
不具合対応やアップデートの頻度、ASP追加時の費用有無など、導入後のフォロー体制を事前確認することも重要です。最低利用期間が設定されている場合が多く、途中解約で違約金が発生するケースもあります。
見積もりの段階で費用構造を把握し、想定外の費用が発生しないか年額コストで比較して長期的な判断をすることが大切です。
サポート体制が充実している
ワンタグは設定や運用に専門知識が必要なため、導入時の支援や運用サポートがどれだけ整っているかが重要です。
社内に専門知識のある人材がいない場合は、導入時に技術者やスタッフが設定を支援し、操作方法のレクチャーを行ってくれることが望ましいでしょう。
サポート体制が薄いと、設定ミスによる計測漏れが発生しやすくなります。問い合わせ対応やオンボーディング資料の有無をチェックしましょう。
セキュリティとプライバシーへの配慮
個人情報の取り扱いやセキュリティ対策は不可欠です。ワンタグはサイト訪問者のクリックやコンバージョンデータを取り扱うからです。
導入時にサービス提供会社のセキュリティ対策やプライバシー保護の方針を確認することが重要です。契約条件でデータの取り扱い範囲を明示する必要があります。
ITP対策を兼ね備えたワンタグでも、ブラウザの規制変更に応じてアップデートが行われているか、Cookie規制に準拠しているかの確認は必須です。
GTMの導入も推奨
ワンタグ自体は計測を行うためのタグですが、タグの管理や配信はGoogleタグマネージャー(GTM)などのタグマネジメントツールを併用するのが理想的です。
ワンタグとタグマネジメントツールは役割が異なり、ワンタグで取得したデータをタグマネジメントツールに渡すことで発火タイミングの制御やタグの一括停止が可能になります。
GTMを利用すれば、計測タグだけでなく広告タグや分析タグなど他のスクリプトも統合管理でき、Webサイトの安定性やページ速度の最適化にも繋がります。
ワンタグ導入時にはGTMに組み込む手順や運用ポリシーも合わせて検討しましょう。
ワンタグ導入が向いている企業

ワンタグはすべての広告主に必要というわけではありません。以下のようなケースでは導入効果が高いでしょう。
- 複数のASPを利用している広告主
- 成果データの統合分析を行いたい企業
- タグの管理・更新コストを削減したい事業者
- 承認率を安定させたい広告主
複数のASPを利用している広告主
複数のASPを利用している、または今後増やす予定がある企業にはワンタグ導入をおすすめします。
ASPごとのタグ管理や成果集計が課題になっている場合、ワンタグによって作業を大幅に削減できるからです。
10社以上のASPを運用している企業では、ワンタグの導入により月数十時間の工数削減につながることもあります。
新しいASPと提携したい場合も、スピーディーに広告掲載を開始できるので販売機会の損失を防ぐことができるでしょう。
成果データの統合分析を行いたい企業
広告効果を最大化するためには正確なデータに基づいた分析が不可欠です。ワンタグを導入していないと、各ASPの管理画面でしか成果データを確認できず、手作業で統合・分析する必要があり膨大な工数がかかります。
ワンタグを導入すれば成果データの一元管理が可能となり、広告施策全体の効果を正確に把握することができます。
ユーザーがコンバージョンに至るまでのすべてのタッチポイントを計測し、どの広告がどの程度成果に貢献したかを可視化。これによって広告予算の最適な配分が可能になるでしょう。
タグの管理・更新コストを削減したい事業者
広告運用における目に見えないコストを削減したい企業にもワンタグは最適です。タグ管理に関わる人的・時間的コストの削減になるからです。
一度マスタータグを設置すれば、その後のタグ管理は直感的な管理画面からマーケティング担当者が行うことが可能です。
タグの設置や更新にかかる社内の人件費や外部への委託費用の大幅な削減につながります。
承認率を安定させたい広告主
承認率の低さに課題を抱える企業も、ワンタグの導入で課題が解決するかもしれません。これは、正確な成果計測が可能になるからです。
複数のASPタグが設置されていると、成果の重複や欠損するリスクがあります。これによって本来承認されるべき成果が非承認になるとメディアとの信頼関係の悪化につながります。
ワンタグによって成果の重複や欠損を防ぎ、常に公正で正確な成果計測が保証されます。
計測制度が向上することで不必要な非承認が減少し承認率が安定し、メディアへの支払い調整がスムーズになります。
成果計測の精度を高めることで、メディアとの信頼関係を構築することができます。
逆に、
- 利用するASPが1〜2社程度で導入作業に見合う工数削減が見込めない場合
- 初期費用をかけられない小規模サイト
では無理に導入する必要はありません。
まずは既存運用の課題を洗い出し、ワンタグ導入による工数削減効果やROIを試算しましょう。
おすすめのワンタグツール
ワンタグの導入を検討する場合におすすめのツールを4つ紹介します。
それぞれのツールの機能・価格・サポート体制を比較した表は以下になります。
アフィリエイト管理システム比較表
| サービス名 | 価格・料金体系 | 主な用途/ポジショニング | 主な機能・特徴 | サポート体制 | 強み・注意点 |
|---|---|---|---|---|---|
| アフィリコード・システム | 月額6万円〜 | 自社アフィリエイト/ASP運営/広告配信・効果測定の統合システム | ・広告配信/効果測定/成果管理を一体化 ・他ASP連携、ティア報酬、限定広告、個別単価設定対応 ・ITP対応等のトラッキング先進技術対応 ・自動アップデート(標準仕様ユーザーに無償提供) | 導入支援・運用サポートあり。オンライン/電話/チャット対応。運営代行プランもあり | ASP運営も含めた「オールインワン」型。機能網羅性・無償アップデート。導入規模により費用変動 |
| アフィリエイトアド(AFAD) | 初期費用0円/月額65,000円〜 | 自社ASP構築・広告主向けアフィリエイト管理システム | ・運営代行サービス(設定・運用支援) ・ワンタグ機能(複数媒体・ADNW、DSP等を一元管理) ・成果(CV)計測、オフライン成果計測対応(オプション) ・無制限広告登録、クリック・CV従量課金なし(定額) | 利用開始前トレーニング、メール・チャット対応 | 定額料金でシンプル運用。ワンタグ・オフラインCV対応(オプション) |
| admage | スタンダード:初期0円・月額172,500円 カスタムプラン:要見積もり | ASP運営、広告配信・計測・運用支援パッケージ型システム | ・SDK連携、ソケット/ポストバック型連携対応 ・広告配信・計測機能全般をパッケージ提供 ・独自ドメイン運用可能 ・権限管理(管理者/メディア/広告主)構成 ・自社開発ベースで柔軟なカスタマイズ対応 ・導入前トレーニング、メール/チャット等サポート | 導入前トレーニング、導入後サポート。カスタマイズ相談可 | 柔軟なカスタマイズ性。価格非公開。大規模運用時はコスト増の可能性 |
| Successfee(サクセスフィー) | 初期費用55,000円(月額2,200円+売上の3%) 成功報酬型課金制 | EC向け成功報酬型パートナー契約管理ツール。主に販売代理・インフルエンサー管理用途 | ・永続マージン支払い(継続購入にも報酬を付与)・契約 ・報酬・振込等バックオフィス自動化機能 ・契約・報酬・振込等バックオフィス自動化機能 ・パートナー契約ワークフロー(専用URL/QRコード発行・承認機能) ・リアルタイムダッシュボード/可視化機能 ・ECカート連携(Shopify等)対応 | ベータ提供段階。システム運用支援および自動化支援あり。バックオフィス業務支援も含む | バックオフィス自動化・永続報酬設計・EC親和性。成果が出ない場合は費用回収が難しい点に注意 |
ワンタグ導入を検討するときは、機能・価格・サポート体制を比較し自社の課題に合ったツールを選ぶことが重要です。
ここでは代表的な4サービスを取り上げ、機能や特徴を解説します。
アフィリコード・システム

画像引用:アフィリコード・システム
Leaf Worksが提供するアフィリコード・システムは、国内でも導入実績が豊富なワンタグツールです。
計測の正確さと豊富なカスタマイズ機能が特徴で、アフィリエイトASP機能も搭載しています。ITP対策や複数広告媒体への配信管理、報酬支払い機能など幅広いニーズに対応、2025年3月時点で導入社数が1,500社を超えています。
ライトからビジネスまで複数の料金プランがあり、月額6万円から導入可能です。
カスタマイズや運用代行を外注・委託できる点も魅力ですが、大規模なASP構築だと初期構築コスト・追加開発費が発生する可能性があるので、見積もり時には慎重に条件確認をしましょう。
アフィリエイトアド(AFAD)

画像引用:アフィリエイトアド
アフィリエイトアドはCATSが提供するワンタグ機能付きASP運営システムです。
クラウドプランでは初期費用無料で月額6万5千円と導入ハードルが低く、専用サーバーを用意する占有プランでは月額15万円でより高度なカスタマイズが可能です。
ワンタグ連携やポストバック処理、SDK連携にも対応しており、各種媒体やチャネル混在運用にも対応できる設計。
ASP運営機能やアフィリエイト広告配信の管理ツールも統合されているため、これから自社ASPを立ち上げたい企業や中小広告主に向いています。
ただし、オプション的な機能が多数あるため、「標準プランで何が含まれるか」「追加費用条件」など事前に確認が必要です。
admage®

画像引用:admage®
admageはディマージシェアが提供する広告効果測定ツール。ワンタグ機能に加え広告主独自のデータ分析やDMP連携が行えるのが特徴です。
スタンダードプランでは初期費用無料・月額15万円で導入でき、カスタマイズプランでは機能追加や外部連携の開発が可能です。
エンジニアや専任スタッフによる導入支援が提供されるため、技術的な不安がある企業に向いています。
ただし、カスタムプランは価格は非公開なので見積もりベースで確認が必要です。大規模な改変や連携が発生する場合、カスタマイズコストが嵩む可能性もあります。
Successfee

画像引用:Successfee
Successfee(サクセスフィー)は、EC事業者向けの成功報酬型アフィリエイト管理ツールです。
商品やサービスを紹介するパートナーに対して売上の一定割合を支払う仕組みを自動化し、契約・運用・支払いを一元管理できるのが特徴です。
他のASPはアフィリエイトリンク発行・成果承認と振込までの機能が中心ですが、
- パートナー契約
- マージン設計
- 振込管理
まで任せることができます。
Cookieだけに頼らない特許技術を使い、紹介経路をより正確に追えるのが強みです。低コストで導入が可能で、契約から運用までが迅速。
報酬算定から振り込みまでのバックオフィス処理を自動化できるので、自社で行う負担を軽減し本来の事業に集中できるようになります。
長期的な成果報酬モデルを採用したいECサイトにおすすめです。
成果報酬型業務提携ツール
について相談してみる
まとめ
アフィリエイト運用の効率化と計測精度と運用効率を上げるうえで、ワンタグシステムは非常に有効な手段です。広告費を無駄なく使い、より多くの成果を得ることにもつながります。
複数ASPのタグ設置を1回で済ませられ、重複成果の自動除外や統合レポートによって運用工数が大幅に削減されます。さらに承認率向上やITP対策などのメリットもあり、複数ASPで運用している多くの広告主が導入を進めています。
一方で、初期費用・月額費用が発生し、設定には専門知識が必要な点がデメリットです。
ワンタグ導入を検討する際は、費用対効果やサポート体制、セキュリティを総合的に比較しましょう。また、タグマネジメントツール(GTM)を併用することでタグの管理や発火タイミングを柔軟に制御できるため、より安定したサイト運用が実現します。
ワンタグを提供するツールは各社とも特徴と価格が異なります。自社の運用規模や課題に合わせて最適なワンタグツールを選ぶことで、アフィリエイト事業の成長を加速させることができるでしょう。