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2025/11/27
  1. アフィリエイト広告

アンバサダーマーケティングとは|メリットや企業の成功事例を解説

アンバサダーとは

「アンバサダーってインフルエンサーと何が違うの?」「アンバサダーマーケティングは本当に効果があるの?」
自社のSNS施策やファン施策に課題を感じている企業では、こうした疑問を抱えることも多いのではないでしょうか。

 

アンバサダーとは商品やブランドに好意を持つ熱心なファンや親和性の高い人物で、自発的・継続的に発信を行う存在です。自社のブランドに強い愛着を持つアンバサダーによる情報発信は、広告色が薄くユーザーの信頼を得やすいという特徴があります。コスト効率がよく、中長期的な成果につながることも期待できます。一方で、アンバサダーの質に依存しやすい・短期的な成果が見えにくいといった課題があります。

 

アンバサダーマーケティングを実践する際は、アンバサダーを厳選し質の高い投稿のためのガイドラインなどの設定が重要です。

 

メリット・デメリットや成功事例も紹介していきますので、アンバサダーマーケティングを検討する際の参考にして下さい。

 

アンバサダーマーケティングとは

アンバサダーとは

アンバサダーマーケティングとは、自社商品やサービスのファンに「アンバサダー」として活動してもらい、SNSや口コミ、イベントを通じて自然で信頼性の高い情報発信をしてもらうマーケティング手法のことです。広告色が薄く、ユーザーからの信頼獲得に優れるのが特徴です。

 

自社やブランドに強い愛着をもつユーザー=アンバサダーが、SNS投稿・商品レビュー・イベント参加などを通じてブランドを広めます。アンバサダーは企業と長期的に伴走する“ブランド応援者”という立ち位置が最も近いイメージになります。

 

アンバサダー施策の代表的な活動例:

  • SNS投稿(Instagram/TikTok/X)
  • 商品の継続使用レポート
  • 新商品のテスト利用とフィードバック
  • オフライン/オンラインイベント参加
  • 口コミレビューの投稿
  • コミュニティでの交流

 

従来の「広告型PR」ではなく、生活者視点の自然な発信ができるため、SNS時代に急速に注目されています。

 

アンバサダーマーケティングが重視される理由

アンバサダーSNSの活用が重視される背景には、次の3つがあります。

 

  • 広告の信頼性が低下した
    アルゴリズム変化・広告疲れ・ステマ問題などから、生活者の広告離れが加速
  • ユーザーの口コミが購買に影響する時代になった
    EC購入の60%以上が口コミを重視。特にInstagramやTikTokではリアルな声が求められる
  • ブランドのファンコミュニティが価値を生むようになった
    ファンによる継続的な発信・レビューは、企業広告より高い説得力を持つ

 

アンバサダーマーケティングが重視される理由は、広告依存モデルの限界と消費者行動の変化が重なり、ブランド成長の核になるからです。MetaやGoogle広告は競争激化でCPCが上昇し、広告だけで安定的に新規を獲得するのが難しくなりました。その一方で、ユーザーは企業の広告よりも個人の体験談や口コミを信頼する傾向が強まり、アンバサダーの投稿は広告よりCVRが高い信頼流入を生みます

 

また、アンバサダーによる自然なUGCは、SNS・SEO・広告クリエイティブの全方位で効果を発揮。UGCが増えるとブランド指名検索が増えてSEOにも好影響を与え、Meta広告のCTRやROAS改善にもつながります。さらに、アンバサダーはブランドに共感しているためLTV・継続率が高く離脱しにくいという特徴もあります。

 

総じてアンバサダー施策は、低コストで新規獲得・継続・口コミ・ブランド力強化のすべてをカバーできる高ROI施策であり、広告費の高騰するEC業界において必須チャネルとなっています。

 

アンバサダーとインフルエンサーの違い

項目アンバサダーインフルエンサー
関係長期・ファン前提短期・案件前提
投稿内容生活者目線の自然な投稿宣伝色が強くなる傾向
選ばれる基準ブランド愛・継続利用フォロワー数・影響力
成果の特徴信頼性・継続性即効性・拡散性

アンバサダーとインフルエンサーの違いは、関係の質と目的にあります。インフルエンサーは基本的に「影響力を使って商品を広める」役割で、フォロワー数や露出量が重視されます。多くは単発案件で、広告としての認識が強く、PR投稿は一時的な拡散が目的です。

 

一方アンバサダーはブランドの世界観や理念に共感して継続的に応援する存在。単なる広告枠ではなく“仲間・ファン”として長期的に関わります。継続的な使用・投稿・口コミ生成が中心で、フォロワー数よりも愛用歴・ロイヤリティ・共感度が評価軸になる点が決定的に異なります。

 

また、インフルエンサー投稿は広告色が強いためCVRは安定しづらい一方、アンバサダーの投稿は自然なUGCとして受け取られやすく信頼性・再現性が高いという特徴があります。さらにアンバサダーはコミュニティ形成・LTV向上・紹介拡大にも寄与するため、ブランドの資産として機能します。総じて、インフルエンサーは「一時的な認知獲得」、アンバサダーは「長期的なブランド育成と継続的な売上改善」に適した存在と言えます。

 

アンバサダーは「好きだから広めたい」が前提であり、広告感が薄い点が最大の違いです。

 

萩原竜希

萩原竜希

アンバサダーマーケティングの本質は「熱量の高いファンの声を最大化すること」。広告では届かない層へリアルな口コミとして浸透し、ブランドの信頼性を強く後押しする施策です。

 

アンバサダーマーケティングのメリット

アンバサダーとは

アンバサダーマーケティングのメリットは以下があげられます。

  • CVR向上につながる信頼性の高い紹介が得られる
  • 「固定費+成果報酬」で広告コストが抑えられる
  • UGCが蓄積し広告の効果が上がる
  • SEOが強化される
  • ブランド価値が上がり長期的な売上が安定する

 

質の高い口コミの獲得やリアルな意見の収集ができることがメリットです。アンバサダーからの発信は広告色が薄く信頼性の高い紹介として受け止められます。生成コンテンツ(UGC)を自然に増やせる点も企業にとって大きい強みです。

 

CVR向上につながる信頼性の高い紹介が得られる

アンバサダーマーケティングの最大のメリットは、広告色の薄い「信頼性の高い紹介」が得られる点です。従来のインフルエンサーPRは、単発の案件として投稿されるため、ユーザー側にも「広告として紹介している」という認識が生まれやすく、エンゲージメントが伸びないケースも多いです。

 

それに対してアンバサダーの投稿は、もともとのファン属性や、商品を継続利用しているという実体験に基づいています。ですから、情報の受け手にとって「本当に愛用している人が推している」という印象を与えることができます。この信頼性が、初回CVRの高さに直結する最大の理由です。さらに、アンバサダー経由で購入したユーザーはブランドとの親和性が高いため購入後の満足度も高く、定期通販であれば継続率にもプラスに働きます。

 

広告主にとっては「新規獲得の質」が上がることが何よりも大きく、ブランドイメージを損なわずに売上を伸ばす施策として有効です。

 

「固定費+成果報酬」で広告コストが抑えられる

広告主にとって極めてコスト効率の良い仕組みを構築できる点も大きなメリットです。従来のインフルエンサー施策では、投稿1回ごとに数万円〜数十万円の費用が発生し、成果が出なくても費用が消えていく「前払・固定費型」でのリスクが避けられませんでした。

 

一方、アンバサダー施策は、長期契約を前提とするため費用を抑えられます。加えて、アフィリエイトの成果報酬型と組み合わせることで“売上が発生した場合にのみ報酬が支払われる”という、広告主にとって理想的なコスト構造を実現できるのです。

 

これにより、初月の固定費による損失リスクを減らしつつ、成果が出れば安定して売上を積み上げる運用が可能になります。特に中小規模のECブランドやD2Cでは、予算が潤沢ではないため無駄撃ちしない構成が非常に重要です。アンバサダー×アフィリエイトの組み合わせは、CPAの安定化、ROASの最大化を同時に達成できる最もリスクの少ない獲得モデルと言えるでしょう。

 

UGCが蓄積し広告の効果が上がる

アンバサダー施策のメリットとして、継続的にUGCが蓄積され続けることもあげられます。写真、動画、レビュー、使用感のまとめなど、広告主が自前で作れない自然でリアルな素材が大量に生成されるため、広告クリエイティブの質が大きく向上するからです。

 

企業アンバサダーは「好きだから紹介したい」という自然な文脈があるため、

  •  説得力のあるレビュー
  •  継続的な発信
  •  商品への理解度が高いコメント

 が発生しやすく、質の高いUGCが蓄積されます。

 

特にMeta広告では、自然なUGC素材はCTR・CVRを高めやすく、広告マンネリによるパフォーマンス低下のリスクも回避しやすくなります。また、LPや記事コンテンツにUGCを組み込むことで、離脱率の低減や滞在時間の増加が起き、SEO観点でも重要な「共感」「説得」「経験の裏付け」を自然に満たす構成が可能になるでしょう。

 

さらに、アンバサダーの投稿から新たな訴求軸や顧客インサイトが発見されるため、商品開発や広告戦略の改善にまで影響を与えることもあります。結果として、広告主は素材に困らない状態を維持でき、広告の成果とLPのコンバージョン率が中長期的に底上げされることが期待できます。

 

SEOが強化される

アンバサダー施策によってSEOが強化されるのもメリットです。指名検索の増加」「ナチュラルリンクの獲得」「SNSでの話題量増加」という3つのSEO主要シグナルに直接作用するからです。

 

アンバサダーがブログ・SNS・動画など複数の媒体で継続投稿することで、ブランド名や商品名での検索需要が増加し、Googleが評価するブランド力が強化されます。これはSEOにおいて最も強いロジックで、長期的に安定した集客につながります。

 

また、アンバサダーによるレビューや比較記事が自然発生することで、広告主が依頼していない第三者のサイトからナチュラルリンクが生まれやすく、被リンクの質・量ともに向上。さらにSNS上で話題が増えることは、E-E-A-Tのうち「経験」「権威性」「信頼性」を間接的に向上させ、ブランド全体の検索評価を強くすることにつながります。

 

特にD2C・コスメ・サプリ領域では、アンバサダー施策によってSEO順位が安定するケースが非常に多く、広告主にとっては広告費を使わないSEO強化策として極めて価値が高いと言えるでしょう。

 

ブランド価値が上がり長期的な売上が安定する

アンバサダーは単なる紹介者ではなく、ブランドの世界観や価値を体現する外部の準メンバーとして機能します。

 

継続的な投稿を通じて「なぜこのブランドを好きなのか」「商品がどのように生活を変えたのか」といったストーリーが蓄積されます。これはブランド側では作れない第三者視点の信頼性の高い物語として伝播していくのです。この結果、ブランド好意度が上がり、コアファンが増え、SNS・口コミ・検索すべての接点で評価が高まっていきます。

 

さらに、アンバサダー経由の顧客はブランドとの親和性が高いため、継続率が高く、解約率が低い傾向がありLTVの底上げに直結します。D2C・定期通販では、この「継続率の高さ」が収益構造に大きく影響するため、アンバサダー施策は短期的な成果よりもブランドの未来価値を高める戦略として位置づけられるでしょう。また、外部からの評価が高まることで、採用やPR、提携の場面でも有利に働き、企業全体の成長速度を加速させることも期待されます。

 

萩原竜希

萩原竜希

アンバサダー施策の価値は「広告では伝わらないリアルさ」。ブランドの信頼性を生活者の声で積み重ねることで、長期的なマーケティング資産をつくることができます。

 

アンバサダーマーケティングのデメリット

アンバサダーマーケティングのデメリットは以下があげられます。

  • アンバサダーの質に依存しやすい
  • 成果が短期で見えにくい
  • 運用コストが意外とかかる

 

萩原竜希

萩原竜希

アンバサダー施策は時間をかけて育てる施策です。ファン育成の文脈を理解しないと失敗するため、企業側のコミュニティ運用スキルが重要です。

 

アンバサダーの質に依存しやすい

アンバサダーの質に依存しやすいことはデメリットといえるでしょう。アンバサダーマーケティングでは、参加者がブランドの代弁者として自発的に発信するため、企業側が投稿内容や表現を完全にコントロールすることはできないからです。ブランド理解が浅いまま投稿されると、誤解を招いたり、世界観が崩れたりするリスクがあります

 

また「商品が無料でもらえるから」という軽い動機の参加者が混ざると、継続的な発信やUGCの質が低下し、制度そのものの信頼度も下がります。さらに、投稿内容がステマ規制に抵触しないよう適切なガイドラインを提示する必要があり、運用ルールを守らない参加者が生まれるとブランド毀損につながる可能性もあります。

 

したがって、アンバサダー制度では「誰を選ぶか」「参加条件をどう設計するか」が成果の8割を決めると言われるほど、質の管理が極めて重要となります。

 

成果が短期で見えにくい

成果が短期で見えにくいことも大きなデメリットになります。アンバサダー施策は、インフルエンサー広告のように即時で売上が跳ね上がる施策ではなく、口コミ・UGC・指名検索・継続率などのブランド資産をゆっくり育てるタイプの施策だからです。

 

投稿量が増え、SNS上で言及が増え、ユーザーの検索動機が強まり、自然検索や指名検索の流入が増えるまでには数ヶ月かかるケースが一般的です。そのため、短期KPI(CPA・即時売上)だけで判断される企業では「効果が見えづらい」と誤解されやすく、内部合意形成に時間がかかる場合があります。

 

また、アンバサダー投稿からの直接売上はトラッキングが困難です。LTVや指名検索の増加によって長期的に貢献する構造のため、計測しづらい価値をどう評価するかが課題になります。結果として、短期インパクトを求める組織においては導入ハードルが生じやすくなります。

 

運用コストが意外とかかる

運用コスト・管理負荷が大きいこともデメリットとしてあげられます。アンバサダープログラムは「始めれば勝手に投稿が増える」といった自動化型ではないからです。募集ページの作成、参加者選定、ガイドライン整備、投稿チェック、ブランド理解の共有、関係性づくり、フィードバック対応など、運用タスクは多岐にわたります。

 

特に100名規模になると、月次報酬管理や投稿管理も必要となり、少人数チームでは対応しきれないケースが出てきます。また、投稿の質を維持するためには、常に企画提供やコミュニケーションが必要で、「放置すると急に投稿が止まる」という現象も起こりがちです。

 

さらに、アンバサダーごとに温度感・理解度・投稿頻度が異なるため、均質な成果を出すには細やかなマネジメントが欠かせません。アンバサダー施策は、成功すれば効果が大きいですが運用負荷も大きいというデメリットを内包しています。

 

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アンバサダーマーケティング実践方法

アンバサダーとは

アンバサダーマーケティングの実践の流れは以下です。

  1. 目標を明確にする
  2. アンバサダーの設定基準・ガイドラインを策定する
  3. アンバサダーを選別する
  4. プログラムを運用する

 

広告施策より“事前準備”が重要であり、基準の精度が成功を分けます。

 

目標を明確にする

目的を明確にすることで施策の方向性が定まり、どのようなアンバサダーを選びどのようなKPIを設定すべきかが決まります。まずは「新商品の認知拡大」や「ブランドイメージの刷新」など、なぜ行うのかを具体的に考えましょう。目的達成に向けた、達成可能で具体的な数値目標を設定します。

 

アンバサダーの設定基準・ガイドラインを策定する

アンバサダー制度を導入する際は、基準を明確にすることが重要です

 

基準例:

  • 自社商品を過去に複数回購入している
  • SNSで発信が活発(ただしフォロワー数だけで判断しない)
  • ブランドの価値観とマッチする

本当に自社ブランドの商品を好きで使っている人を選ぶための基準を設定しましょう。設定した目標を達成するために最適なアンバサダーの人物像を定めます。 

 

投稿の質を下げないためのガイドラインの例は以下です。

  • 投稿時の注意点(薬機法・景品表示法)
  • ハッシュタグルール
  • 禁止事項
  • 過度な演出の禁止

明確な基準があると、本当にブランドを好きな人だけを選ぶことができ、投稿の質を均一化することができます。

 

アンバサダーを選別する

アンバサダーを選ぶ際は、フォロワー数より熱量で判断します

特に見るべきは以下の点:

  • 過去投稿の内容
  • 商品を本当に愛用しているか
  • コメント欄のコミュニティの質
  • SNS/口コミの温度感

 

企業アンバサダーとして芸能人を起用するケースもありますが、「熱量があるかどうか」が最重要です。ブランドイメージに合致しない芸能人だとコストばかりがかかり、結果につながらないケースもあります。

 

プログラムを運用する

運用では以下を行っていきます。

  • 定期的なミッションの提供
  • 限定イベント(アンバサダーイベント)の開催
  • フィードバック収集と改善
  • 成果の可視化

 

実践の本質はアンバサダーが活動しやすい環境づくりにあります。基準・イベント・報酬設計を整えることで、アンバサダーの自発的なUGCが増えていきます。

 

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アンバサダーマーケティングを成功させるためのポイント

アンバサダーマーケティングを成功させるためのポイントを確認しておきましょう。

 

  • アンバサダー選定の精度を高める
  • 投稿の質を高めるガイドライン&企画設計
  • アンバサダーとの関係構築

 

萩原竜希

萩原竜希

ブランドへの共感度・使用歴・価値観が一致したアンバサダーを選定することが重要です。ブランドへの愛着を育てる運用とともにガイドラインや企画を提供して質の高い投稿を促すことが成功につながります。

 

アンバサダー選定の精度を高める

アンバサダーマーケティングの成果は、どんなアンバサダーを選ぶかで80%決まると言われるほど、選定が最重要ポイントです。フォロワー数や影響力よりも、ブランドへの共感度・使用歴・世界観との相性が本質的な評価軸となります。

 

応募フォームの設問設計や選定基準によって「本当に好きで使っている人」を見抜くことが重要です。商品の無料提供が目的の応募者が混ざると、投稿の質が低下し継続率も落ちるからです。また、過去の投稿から生活スタイルや価値観、写真の雰囲気などを確認し、ブランドの世界観を壊さない人を優先的に選ぶべきです。

 

さらに、選定後も「なぜあなたにお願いしたいのか」を明確に伝えることで、アンバサダーのモチベーションとブランドへのロイヤリティが強化されます。結果的に、UGCの自然さ・質・頻度が安定し、広告効果や口コミ拡散の再現性が高まります。

 

投稿の質を高めるガイドライン&企画設計

投稿の質を高めるためにはガイドラインと企画設計が重要です。アンバサダー施策では、「自由に投稿してください」と丸投げすると投稿率が下がり、内容もバラつきやすくなるからです。

 

そのため、投稿の質を均一化し、アンバサダーが迷わずに投稿できるよう、

  • ブランドの世界観
  • NGワード
  • 推奨表現
  • 写真の雰囲気
  • ステマ規制対応(#PRの適切な書き方)

などをまとめたガイドラインが必須です。

 

また、毎月の投稿テーマ(お題)やコンテンツ案を提供することで、“投稿ネタに困る問題”を解消し、継続投稿を促進できます。さらに、優秀投稿を毎月ピックアップしてシェアしたり、小さなインセンティブを提供することで投稿の質が向上するでしょう。

 

重要なのは管理ではなく、アンバサダーが「投稿したくなる状態」を設計することですこれにより、ブランド世界観に沿った高品質UGCが継続的に増え、広告素材・SEO・SNS運用に活用できる資産になります。

 

アンバサダーとの関係構築

アンバサダーと友好な関係を構築することが最も重要です。アンバサダーは広告枠ではなく“ブランドの仲間”であり、彼らの熱量がUGCと口コミの質・量に直結するからです。そのため、単に投稿を依頼するだけでなく、関係性を継続的に育てる運用が重要です

 

たとえば、

  • 新商品の先行体験
  • 限定情報の共有
  • ブランドの裏側ストーリー
  • 意見募集
  • オンラインイベント

などを通じてブランドへの愛着を強化できます。

 

また、アンバサダーからの質問や投稿へのリアクションを丁寧に返すことで、ブランドとの心理的距離が縮まりロイヤリティが一段と高まります。この関係構築型の運用が成功すると、投稿率が安定し自然な口コミや紹介が自発的に増え、LTV上昇や指名検索増加などの長期成果が生まれます。結果として、広告だけでは絶対に再現できない「熱量起点のブランド成長サイクル」が形成され、アンバサダー施策は強力な成長エンジンになります。

 

アンバサダーマーケティングの成功事例

アンバサダーマーケティングの実例を通じて、アンバサダー施策の成功要因を学ぶことができます。

  • ワークマン
  • キッコーマン
  • BASEFOOD

 

萩原竜希

萩原竜希

成功した企業は例外なく「アンバサダーの熱量」を重視しています。商品愛の強いユーザーに“継続的に活動してもらう”仕組みづくりが勝敗を分けます。

 

ワークマン

アンバサダーとは

画像引用:ワークマン

ワークマンは本来「作業服専門店」でしたが、アンバサダーマーケティングを活用すること

で、アウトドア・カジュアル市場へ大きく拡大しました。成功の最大ポイントは、“本当にワークマンを愛用する一般ユーザー”をアンバサダーとして起用したことです。

 

影響力の大きさよりも、信頼性・専門性・熱意を重視し、金銭報酬をほぼ出さずに「製品開発への参加」「先行情報の提供」などの体験価値を報酬としました。この仕組みにより、アンバサダーはPRではなく自分の好きなものの紹介として自然な投稿を行い、UGCを大量に生み出しました。

 

また、アンバサダーを製品開発にも巻き込み、キャンプ向け耐火ウェアなどヒット商品が多数誕生。広告費をほぼ使わずSNS拡散のみで10万枚以上売れた商品もあります。さらに、アンバサダー起点→公式発信→一般投稿へと流れる拡散プロセスを構築し、低コストで爆発的な認知を獲得しました。

 

結果として、ワークマンは「作業服の店」から「高機能で安いアウトドアブランド」へブランド転換に成功し、新規顧客を大量獲得しています。

 

キッコーマン

アンバサダーとは

画像引用:キッコーマン

キッコーマンは、調味料市場で高い認知を誇る中、既存顧客との関係強化およびファン発信力の活用を目的に、アンバサダープログラム「キッコーマンごはん部」を立ち上げました。2023年に終了し現在は名前を変えて「キッコーマン+」として活動しています。

このプログラムでは、商品モニターやレシピ投稿などを通じて、ファンがキッコーマン製品を日常的に使い、その感想やアレンジをSNSなどで自発的に投稿する仕組みを作りました。

 

 従来の単発キャンペーンでは、施策終了とともにファンとの接点が途絶えていたため、キッコーマンは継続的なファンコミュニティの構築を重視しました。アンバサダーには試供品の提供や特別イベントへの招待、専用情報の提供など非金銭的な特典を設け、参加者の熱意を引き出しています。

 

また、アンバサダーが投稿した実ユーザーの声を、商品動画や店頭POP、公式SNSに取り入れ「信頼できる発信」として展開しました。 KPIとしては、アンバサダー登録数(初期は約300名)を設定し、社内で評価できる数値化にも取り組んでいます。

ファンを単なる消費者ではなくブランドの伴走者として巻き込み、継続的に商品・ブランド価値を高めることに成功したのが、キッコーマンのアンバサダーマーケティングの強みです。

 

BASEFOOD

アンバサダーとは

画像引用:BASEFOOD

BASEFOODは2017年創業期から「アンバサダー群」を「ストック型」施策として構築。SNSや試食会で既に商品を使っていたユーザーに直接声を掛け「商品を送るので気に入ったらアンバサダーになってください」というギフティング型アプローチを継続し、5年で約3,000人のアンバサダーを獲得しました。

 

アンバサダーには

  • 定期的な商品提供
  • 新商品試食会の招待
  • レシピ・商品企画参加
  • 管理栄養士相談
  • 社員・ユーザーとの交流の場

など非金銭的特典を用意し、「共創」「体験」「コミュニティ感」を重視しました。

また、コミュニティ「BASE FOOD Labo」には約2万5千人が参加し、レシピ投稿や30日間企画(例:ダイエット企画)など活発なUGC発信が日々行われています。

 

 さらに、マイクロインフルエンサーを多数活用し「身近な人が使っている」姿をSNSで拡散することで、自社製品が特別ではなく日常に溶け込む食品であるというブランドイメージ形成にも成功。BASE FOODのアンバサダー施策は広告費に頼るのではなく「ユーザー発信」「ファン共創」「コミュニティ構築」でブランドの裾野を広げ、購入・継続・友人紹介へとつなぐ好循環を作っています。

 

アンバサダーマーケティングに関するQ&A

アンバサダーマーケティングについてよくある質問を整理しました。

  • 企業が芸能人をアンバサダーに起用する理由は?

 

企業が芸能人をアンバサダーに起用する理由は?

企業が芸能人をアンバサダーに起用する理由は3つ考えられます。

  1. 大きな認知拡大が期待できる
  2. ブランドの信頼性を高められる
  3. SNS上で話題化しやすい

芸能人の影響力やファン層を活用して、商品やサービスへの認知を拡大し、信頼性を高めることで、最終的な売上につなげることを目的としています。 

ただし、芸能人起用は通常のアンバサダーのような熱量より、多くの人に広告を見てもらうことを重視した施策です。

 

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まとめ

アンバサダーマーケティングは、広告疲れが進む現代において最も自然で信頼性の高いマーケティング手法です。


とくに以下のような企業と相性が良い施策です。

  • SNSでの口コミを増やしたい
  • ファンを育て、長期的なブランド価値を高めたい
  • UGCが不足している
  • レビューの質を上げたい
  • 広告依存から脱却したい

 

アンバサダー施策は熱量の高いファンのコミュニティによって強力なマーケティング資産となります。まずはスモールスタートでアンバサダー募集を行い、コミュニティ作りから始めることをおすすめします。

 

著者情報
萩原 竜希
Hagiwara Ryuki
萩原 竜希
COO
EC支援業界において約20年間の豊富な経験あり。数百社に及ぶECサイトの立ち上げから成長までを支援し、多岐にわたるビジネスモデルと市場の課題に深く関わる。長年の実務経験と、パートナーシップによる価値創出への強い情熱により、成功報酬型業務提携ツール「successfee」の事業を推進。